大会長挨拶

特定非営利活動法人
日本臨床歯周病学会 第38回年次大会
大会長 村上 卓

第38回を迎えるJACP年次大会は、中部支部が主幹となり名古屋で開催させていただきます。

我が国は、他に例を見ない程の少子高齢化社会時代を迎えています。医療費を含む社会保障費は高齢者の増加に伴い、人口は減少の一途を辿っているにもかかわらず毎年増加し続けています。

一方で、ある調査によると、増加し続ける医療費の削減の鍵は歯科医療にあるとの報告があります。つまり歯科受診率が高いほど全身に関わる医療費が低くなるということから、歯科治療はまさに全身疾患予防にも大きく寄与していると考えられます。

その中でも、歯周病治療は歯科治療の中心、まさにど真ん中と位置づけられ、口腔内の炎症を消失させることと、咬合の確保は健康寿命延伸を図るだけでなく、人生の豊かさや喜びにも大きく寄与し、我々の日々の臨床における最大の使命であり、求められる医療であると考えます。

即ち、歯周炎を中心とした炎症のコントロールと、インプラントを応用した力のコントロールが最も重要なファクターということができます。インプラント治療は、日本でも臨床に応用され30年ほど経過しましたが、安易な手段として活用された時代もあり、インプラント周囲炎などの問題や全身疾患との兼ね合い、個々のライフステージに即した有用な活用がされていない場合など、様々な問題がクロースアップされてきました。

しかしながら、インプラント治療は歯列保全、咬合支持を図るためには極めて有効な手段であり、一口腔内に天然歯とインプラントが共存することは、これからの日本の歯科医療に於ける重要なテーマと考えます。

そこで本大会では、審美と機能を兼ね備え、長期に安定した治療結果を目指すための知識と技術を学ぶために、「天然歯とインプラントの共存時代~ペリオど真ん中祭り~」を大会テーマに掲げ、特別講師としてアメリカの歯周病専門医で、インプラント治療の巨匠である、デニス・ターナー氏をお招きし、特別講演と、シンポジウムを開催させていただきます。

また、歯科衛生士セッションでは、口腔粘膜疾患に対して歯科衛生士としてどう向き合い、患者のニーズに応えるかを学ぶための教育講演を企画し、これまでメンテナンスを実施してきた高齢者の方々が認知症となってしまったとき、どう対応するのかなどについての特別企画を準備しました。

市民フォーラムでは「健康寿命を延伸できるのか」、「誤嚥性肺炎をいかに予防していくか」というテーマでの開催を企画しました。

以上の様に、本大会では臨床歯周病学会として、日本の地理的中心である名古屋の地で真に歯科治療のど真ん中を真正面から向き合うことで、国民の健康と福祉の増進を目的とし、会員の皆様が日々の臨床現場で実践していけるような学びの場を提供する大会を目指します。